那覇国際通りに位置しているホテルパームロイヤルの増築です。基本設計と内装設計をやらせていただきました。敷地が広がったのを機に、ワンフロア４室×７フロアの２８室を増築しました。１階はテナント、２階は大浴場、３階からが客室です。外観に関しては基本的に既存棟のデザインを踏襲し、階高も既存棟に合せたので、室内の低い天井をいかに上げて空間を広く見せるかがポイントとなりました。ホテル全体としては“睡眠とアート”をコンセプトとしており、「琉球王朝シリーズ」や「ペリー来琉シリーズ」など各階にテーマを設け、ホテルが所有する絵画や版画など美術品２００点以上を展示しています。内装はオーナーの希望であるサーモンピンクの壁面を中心にコーディネイト致しました。各部屋には琉球の歴史を物語るオリジナルレリーフもあり、琉球王国の王冠を中心に船や、それらを照らす太陽が描かれ、「国を繁栄させた先人たちにならって、感動を与えられるような心を込めたおもてなしをしたい」というコンセプトが込められています。初めて部屋に入る時はこのレリーフのみに照明が当たるようシステムを組んだり、廊下の照明は絵画を照らすスポットのみという様にどこまでもアートが主役となり、建築はその背景となるように設計しました。目立つことなく、ホテルとしての心地よさを追求致しました。